社長の想い 03 つなぐ
地域社会 の底力を上げていきたい
私が社長に就任してから進めている実験的なプロジェクトがあります。名付けてGarden*Houseプロジェクト。ひと口に言うと、自然と一体感のある街をつくろうというものです。
たとえばGarden*Houseには多くの緑があります。木漏れ日を落とし涼しい風を届けるたくさんの樹木と、ゆるやかに起伏する地面が続く中に住居が点在しています。住人みんなの共有スペースがあり、バーベキューキッチンや散水場も備えられています。それぞれの敷地には大きな屋根がかけられ、屋根下の空間は屋内でも屋外でもない、いわば昔の縁側のような空間として、住人同士のふれあいを呼び込みます。
この実験的プロジェクトは、私の母校である横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院との共同研究の中から生まれました。温暖な徳島の気候や、自然に恵まれた環境を活かした「まち」をつくりたい、そんな思いをかたちにしたものです。「自然との共生」、「コミュニティのある暮らし」といったキーワードに敏感に反応されるみなさんに、“こんな暮らしがしたかった”と言っていただけることを願って計画しました。地元のみなさんを中心に、同じ価値観をもつ方々が素敵なコミュニティをつくりあげてくだされば良いなと思います。
そしてもう一つ、「防災」にも力を入れています。亀井組では土木事業を行ってきた歴史から、自然災害に対する安全対策や復旧対策のノウハウは豊富にもっています。それをさらに進めて、大規模災害が起こった際の避難場所の確保、ライフラインの復旧、災害前の生活や経済活動の素早い回復といった、BCP(企業継続計画)の観点に立った調査研究を積極的に進めています。いざという時に、地域社会の誰もが安全と安心を守られるように。孤立したり、孤独を感じたりする人を無くせるように。地域社会の底力をもっと上げていくために私たちにできることは、決して少なくありません、地道に努力を重ね、100年先にも地域で愛される亀井組でありたいと思います。
<参考文献「創業百周年記念誌」>
House
KUROSAKI」 人と人、人とモノ、人と自然の有機的なつながりを創出したい